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理事長挨拶

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理事長挨拶

日本産業精神保健学会
理事長 黒木 宣夫

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日本産業精神保健学会は、平成28年4月1日より一般社団法人・日本産業精神保健学会として法人化されて4年が経過し、令和2年8月30日の代議員総会で新体制が発足致しました。同日開催されました新理事会におきまして私が引き続き理事長に選出されましたので就任のご挨拶をさせていただきます。新理事長として、下記について問題定義と執行方針を述べさせていただきます。

1、精神障害に係る労災認定に関して

精神障害の労災請求件数は毎年、過去最高を更新し、令和元年度は2060件(前年度比240件増)、実際に労災認定された件数も、平成30年度 465件、令和元年506件と増加し、29年度506件で認定率は32.1%を呈しており、深刻な状況が続いています。

2、ストレスチェック制度の今後に関して

ストレスチェック制度が平成27年12月から50人以上の事業所に義務化され、早くも5年が経過し、従来の57項目版簡易ストレス調査票ではなく80項目版を採用する事業所も出てきており、同制度も新たな局面を迎えたようにも思えます。

3、障害者雇用に関して

平成30年4月から法定雇用率の算定基礎に精神障害者を加えられ精神障害者雇用義務化が始まり、障害者法定雇用率も2.2%に引き上げられました。さらに同年6月27日に働き方改革関連法が成立し、業種によっては平成31年4月から実施されています。

4、職場でのハラスメント対策に関して

令和元年5月には労働施策総合推進法が改正され令和2年4月からパワーハラスメント防止が義務化され、同年1月にはパワーハラスメントに関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(パワハラ指針)が策定されました。パワーハラスメントの定義が明確化されたことを受けて令和元年12月17日に精神障害の労災認定に関する専門検討会が設置され、職場の心理的負荷評価表の中で「ひどいいじめ、嫌がらせ、または暴行を受けた」から「パワーハラスメントを受けた」を独立・新設できるかどうかが検討され、令和2年6月に「上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた」が新設されました。

5、雇用保険法等の一部改正と複数業務要因災害に関して

雇用保険法等の一部を改正する法律が令和2年3月31日に交付されましたが、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律、健康保険法、労働者災害補償保険法、労働基準法、労働保険の保険料の徴収等に関する法律、失業保険法、厚生年金保険法等この法令によって改正された他の法令は28件にも及んでいます。労災保険法、労働保険徴収法関係では、複数業務要因災害における精神障害の認定に関して、精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会で令和2年6月に方向性が出されました、一つは異なる事業場における労働時間、労働日数は、それぞれ通算する、もう一つは、出来事が複数ある場合には、それぞれの事業場における業務による出来事を、別個に心理的負荷評価表の具体的出来事に当てはめ心理的負荷の強度を評価した上で、心理的負荷の強度を全体的に評価することとなりました。

6、「業務上疾病に関する医学的知見の収集に関する調査研究について

本学会が令和2年4月に厚生労働省から入札受諾した「業務上疾病に関する医学的知見の収集に関する調査研究(ストレス評価に関する調査研究)」を田中克俊理事が責任者として、実施することとなりました。業務による心理的負荷を原因とする精神障害の労災認定は「心理的負荷による精神障害の認定基準について」(以下「認定基準」)に基づいて行われており、心理的負荷の強度の判断に当たっては「業務による心理的負荷評価表」を指標としており、平成23年の認定基準策定から来年度で10年経過するところで、その間に社会情勢や職場環境は大きく変化していることから、本学会が令和2年度受諾研究を実施することになりました。田中克俊研究責任者を中心に研究チームを編成し、本学会の総力をあげて、取り組む所存です。

7、新型コロナウイルス感染症の影響について

新型コロナウイルス感染症(Covid19)により産業現場だけではなく私達の日常生活そのものが大きく塗りかえられ、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は8月の記者会見で、新型コロナウイルス感染症について、「特効薬は現時点でなく、今後も存在しない可能性がある」と述べ、ワクチンや治療薬の開発に過度に期待しないよう警告しており、新型コロナウイルスの世界的な流行を「2年未満で終わらせるという希望を持っている」と述べましたが、この感染症治療に関しては先が見えず、完全に不安を拭い去ることはできない現状があります。新型コロナウイルスの感染拡大防止による日常生活や就労生活に大きな変化が起こっている現状があり、このような背景の中で、経済的・精神的に追い込まれ、メンタルヘルスの問題が顕在化してきており、 コロナ関連メンタルヘルス問題に関して引き続き本学会として注視していく必要があります。

8、今後の学会運営に関して

本学会には、現時点で産業医部会、精神科医・心療内科医部会、心理職部会、産業看護職部会、精神保健福祉士部会と5つの部会、編集委員会、渉外広報委員会、財務委員会、教育研修委員会、表彰選考委員会、会則検討委員会、研究推進委員会、倫理委員会、代議員選出委委員会が員会、選挙制度検討委員会、精神疾患と業務関連性に関する委員会、自殺予防委員会、専門職委員会、医療従事者の精神保健支援委員会、公務員のメンタルヘルスに関する委員会と15の委員会があります。産業精神保健を取り巻く社会情勢の中で、今後、専門職集団としての産業精神保健への関わり、さらには上記部会・委員会が相互に交流、活動することによって、本学会がますますの発展できることを期待しております。 なお、令和2年8月30日に代議員総会、新理事会が開催され、理事長・業務執行理事が選任され、新理事会の構成が決定致しましたので、㏋などで役員一覧をご参照ください、 私どもは、この体制のもと一丸となり、より一層の本学会の活動に専心する所存でございます。引き続き、学会会員の皆様の多大なるご支援を賜りますようお願い申し上げます。

令和2年9月吉日

学会情報(第28回)

日時11月20,21日
場所Web&
一橋講堂(産業医単位研修のみ)
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